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産婦人科

産婦人科の紹介

産婦人科では、専門的知識が必要な女性泌尿器疾患(骨盤臓器脱や尿失禁など)、および高度な技術を必要とする腹腔鏡下手術を得意領域としています。それぞれを専門とする医師を中心に、患者さんそれぞれの病状やライフスタイルに合った治療方針を提示します。

*当院は2015年度より日本産科婦人科内視鏡学会の認定研修施設となりました。

外来診療体制について

外来診療は待ち時間短縮と女性医師の診察希望に対応するため、宮本愛子医師(非常勤医師)、天満久美子医師(非常勤医師)の応援を得て、2診体制で行っており、女医希望の患者さんにもすべての曜日で対応可能となりました。

すべての婦人科疾患(月経不順、月経困難症、子宮や卵巣の腫瘍、子宮脱や尿漏れなどの女性泌尿器疾患、更年期障害、膣炎や帯下異常、クラミジアなどの性感染症の診断・治療)に対応しております。診断や治療方針についてはわかりやすい丁寧な説明を心がけているため、待ち時間が長くなることがございますが、ご容赦いただければ幸いです。また、予約の患者さんを優先しているため、予約なしでご来院される場合は待ち時間が長くなることがある旨も合わせてご了承ください。

◆外来担当医表

  • 初診を除き、原則予約制となっております。
  • 当院宛の紹介状をお持ちの方でも、各専門内科(予約制)の予約をされていない方は、専門内科の受診ができない場合がございます。予約を希望の方は、かかりつけ医より当院の地域連携室までご連絡ください。
  • 諸事情により休診・代診となる事がございますので予めご了承ください。

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専門分野について

女性泌尿器(婦人泌尿器やウロギネコロジーとも呼ばれる)

骨盤臓器脱(子宮脱や膀胱瘤、直腸瘤などの膣から臓器が下がってくる疾患の総称)や尿漏れを扱います。これらは、生活の質(QOL: quality of life)を低下させることが知られており、患者さんの数は増加傾向にあります。当院では、従来から行われてきた術式に加え、メッシュや腹腔鏡を用いた新しい術式にも対応しており、個々の患者さんにとって最適な治療法を提案いたします。

腹腔鏡下手術

液晶モニターに映し出されたおなかの中の映像を見ながら、数か所の小さな傷(5mm~15mm程度)を通して、手術を行います。子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、骨盤臓器脱などの良性疾患を対象にしています。子宮筋腫核出術や卵巣嚢腫摘出術などの、臓器を温存する手術から、子宮全摘術などの臓器を摘出する手術まで、幅広く対応しております。従来の開腹手術よりも痛みも少なく、体への負担も小さいため入院期間も短くなります。
当院での入院期間は、術式に関わらず5日間(術後3日目退院)を標準としております。患者さんの状態によっては、手術翌日または2日目の退院を許可することもあり、状況に合わせて柔軟に対応しています。手術の質を担保するため、日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定医である錢医師、宮田医師を中心として、高度で安全な手術を心掛けております。 技術認定が着任した2014年11月以降、2023年3月までに当科で施行された腹腔鏡下手術は1800件を超えました。今では、兵庫県内では随一の内視鏡手術専門施設として、阪神間を中心に県外からも多くの患者さんをご紹介いただいています。

我々の目指す腹腔鏡下手術

腹腔鏡のメリットは、傷の小ささばかりが注目されますが、「傷が小さい=低侵襲」とは言えません。傷が小さくても手術の内容がおろそかになるようでは、腹腔鏡で手術をした意味がありません。腹腔鏡の最大のメリットは、拡大された術野を見ながら細かい操作ができることです。そのメリットを生かしながら、開腹手術よりも質の高い手術を実現して初めて腹腔鏡で手術をした意義があると我々は考えています。 当科では、日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定を受けた医師を中心に高度で安全な腹腔鏡下手術の提供を目指しており、良性疾患であればほとんどの症例を腹腔鏡で行っていますので、お気軽にご相談ください。

悪性疾患(子宮がんや卵巣がんなど)

がんに対する手術治療にも対応していますが、特殊な治療(放射線治療など)が必要な場合には、関連施設をご紹介させていただきます。悪性疾患では、しばしば抗ガン剤治療が必要となる場合があります。当院では婦人科医のみで判断ではなく、腫瘍内科(抗がん剤治療を専門に行う内科のこと)と協力・相談し患者さんに最適な治療を提案します。

産科に関して

分娩(産科)に関して

当院では2010年4月より大阪大学医学部産婦人科による分娩施設集約化(分娩は、スタッフが多く、緊急の対応が可能な施設で集中的に行うこと)の方針にしたがい、分娩の取り扱いは行っておりません。当院では妊娠の診断や妊婦健診のみ行い、分娩は産科スタッフが充実し、新生児室(NICU)もある県立西宮病院に依頼し“周産期ネットワーク”を構築することで対応しています。 (帰省分娩など、分娩施設が県立西宮病院以外でも妊婦健診は可能です。)

“市立芦屋病院・県立西宮病院 周産期ネットワークについて“

妊婦健診は、超音波による胎児診断を含め、安心して分娩、出産できるように病棟助産師とのチーム医療を行っており、何でも相談できる環境づくりを目指しています。元来元気な方でも妊娠すると大なり小なり体の変調が生じることがあり、そんな時には、必要に応じて院内各科の専門医に紹介し、迅速に対応します。

具体的には“市立芦屋病院・県立西宮病院 周産期ネットワークのお知らせ“で詳細に説明させていただいているので参照ください。妊娠が安定した頃(10週から12週ごろ)に両病院間で統一した妊婦専用カルテを作成し、その時点で一度だけ県立西宮病院産婦人科を受診していただきます。その後は、経過に問題なければ、妊娠35週までは当院が妊婦健診を担当し、妊娠36週(分娩予定日の一か月前)に再度、県立西宮病院の診察を受けていただきます。その後、再び当院で妊婦健診を受けていただき、陣痛発来や産兆(おしるし)、破水などの分娩の兆候を認めた時点で県立西宮病院に連絡、入院(分娩)となります。 分娩終了後、御希望があれば、赤ちゃんとともに当院に転院可能です。退院後の産褥期の管理や母乳相談、新生児の診察などは、当院でフォローさせていただきます。

実績

専門医・認定医・スタッフの紹介

錢 鴻武(せん こうぶ)
役職 産婦人科 部長
略歴 H15年 九州大学医学部卒業
聖路加国際病院
田附興風会医学研究所 北野病院
健保連 大阪中央病院
資格 日本産科婦人科学会専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定
専門分野 一般産婦人科
腹腔鏡下手術
宮田 明未(みやた ひろみ)
役職 産婦人科 主任医長
略歴 H19年 神戸大学医学部卒業
田附興風会医学研究所 北野病院
大阪府立母子保健総合医療センター
資格 日本産科婦人科学会専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本周産期新生児学会専門医
がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
母体保護指定医
臨床研修指導医養成講習会受講済
専門分野 一般産婦人科
腹腔鏡下手術
安田 美樹(やすだ みき)
役職 産婦人科 副医長
資格 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医
母体保護法指定医
周産期新生児医学会専門医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
臨床研修指導医養成講習会受講済
専門分野 一般産婦人科
宮本 愛子(みやもと あいこ)
役職 非常勤医師
略歴 S59年 和歌山医大卒業
資格 日本産科婦人科学会専門医
母体保護法指定医
麻酔科標榜医
日本医師会認定産業医
天満 久美子(てんま くみこ)
役職 非常勤医師
略歴 H10年 大阪大学医学部卒業
資格 日本産科婦人科学会専門医