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産婦人科

産婦人科の紹介

産婦人科では、専門的知識が必要な女性泌尿器疾患(骨盤臓器脱や尿失禁など)、および高度な技術を必要とする腹腔鏡下手術を得意領域としています。それぞれを専門とする医師を中心に、患者様それぞれの病状やライフスタイルに合った治療方針を提示します。

*当院は今年度より日本産科婦人科内視鏡学会の認研修定施設となりました。
(2015年4月の現在、兵庫県内には4施設のみです。http://www.jsgoe.jp/pdf/member/top/pdf12.pdf
*2010年4月より、大阪大学医学部産婦人科教室の方針により分娩の取り扱いを休止しています。

外来診療体制について

H29年4月より、常勤医(宮田明未医師)が1名増えました。
外来診療は待ち時間短縮と女性医師の診察希望に対応するため、宮本愛子医師(非常勤嘱託)、天満久美子医師(非常勤嘱託)の応援を得て、2診体制で行っており、女医希望の患者さまにもすべての曜日で対応可能となりました。(水曜日は手術のため、木村の外来は10時まで)

すべての婦人科疾患(月経不順、月経困難症、子宮や卵巣の腫瘍、子宮脱や尿漏れなどの女性泌尿器疾患、更年期障害、膣炎や帯下、クラミジアなどの性感染症などの診断・治療)に対応しております。診断や治療方針についてはわかりやすい丁寧な説明を心がけているため、待ち時間が長くなることがございますが、ご容赦頂ければ幸いです。また、予約の患者様を優先しているため、予約なしでご来院される場合は待ち時間が長くなることがある旨も合わせてご了承ください。

【表1】外来担当表

 
午前 1診 木村 (木村) 木村
2診 天満 宮本 天満 宮田 宮本
午後 検査 宮田 手術 手術 手術

専門分野について

女性泌尿器(婦人泌尿器やウロギネコロジーとも呼ばれる)

本邦では、あまり聞きなれない言葉ですが、尿漏れや骨盤臓器脱(子宮脱や膀胱瘤、直腸瘤などの膣から臓器が下がってくる疾患の総称)を扱います。これらは、直接生命にかかわることがありませんが、生活の質(QOL: quality of life)を低下させることが知られています。患者様の数は増加傾向にありますが、本邦ではそれを積極的に扱っている病院はほとんどないのが現状です。当院では、従来から行われてきた術式だけでなく、メッシュや腹腔鏡を用いた最新の術式まで、すべての術式に対応しており、患者さんにとって最適な治療法を選択しています。木村医師は泌尿器科の経験も有する数少ないこの分野のスペシャリストであり、日本国内でも屈指の経験を持っております。

腹腔鏡下手術

テレビモニターに映し出されたおなかの中の映像を見ながら、数か所の小さな傷(5mm~15mm程度)を通して、手術を行います。子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、不妊症、骨盤臓器脱などの良性疾患が対象になります。子宮筋腫核出術や卵巣嚢腫摘出術などの、臓器を温存する手術から、子宮全摘術などの臓器を摘出する手術まで、幅広く対応しております。従来の開腹手術よりも痛みも少なく、入院期間も短くなります。
当院での入院期間は、卵巣の手術であれば5日間(術後3日目退院)、子宮の手術であれば7日間(術後5日目退院)を標準としております。手術の質を担保するため、日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定医である錢医師を中心として、高度で安全な手術を心掛けております。錢医師のほかにも、3名の技術認定医を定期的に手術応援に招聘しており、近畿圏内でも屈指の技術を有しております。(注:2015年7月現在、兵庫県内の腹腔鏡技術認定医は6名のみです。http://service.kktcs.co.jp/smms2/c/cl_jsgoe/ws/license/List.htm?id=all&t=templates/general/medical_specialist/medical_specialist_list.tpl

我々の目指す腹腔鏡下手術

腹腔鏡のメリットは、傷の小ささばかりが注目されますが、「傷が小さい=低侵襲」とは言えません。傷が小さくても手術の内容がおろそかになるようでは、腹腔鏡で手術をした意味がありません。腹腔鏡の最大のメリットは、拡大された術野を見ながら細かい操作ができることです。そのメリットを生かしながら、開腹手術よりも質の高い手術を実現して初めて腹腔鏡で手術をした意義があると我々は考えています。
当科では、日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定を受けた医師を中心に高度で安全な腹腔鏡下手術の提供を目指しており、良性疾患であればほとんどの症例を腹腔鏡で行っていますので、お気軽にご相談ください。

悪性疾患(子宮がんや卵巣がんなど)

がんに対する手術治療にも対応していますが、特殊な治療(放射線治療など)が必要な場合には、関連施設をご紹介させていただきます。悪性疾患では、しばしば抗ガン剤治療が必要となる場合があります。当院では婦人科医のみの判断ではなく、腫瘍内科(抗がん剤治療を専門に行う内科のこと)と協力・相談し患者さまに最適な治療を提案します。

手術実績

当院産婦人科では、下記疾患に対し、積極的に手術を行っており、手術件数も年々増加しています。【図1】

【図1】年度別手術件数の推移

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
手術件数 56 111 140 152 172 247 258

2010年4月以降、産婦人科スタッフを一新し、手術件数は年々増加しています。特に、2014年11月、産婦人科腹腔鏡技術認定医の赴任により、手術の適応が拡大し、今年度は、昨年実績を上回るペースで手術件数が増加しています。

低侵襲である腟式手術や内視鏡(腹腔鏡と子宮鏡)手術が大半を占めており、開腹手術は、ほとんどが悪性腫瘍です。【図2】

【図2】2016年度の手術(258例)の内訳

  • 腟式手術:90例
    (骨盤臓器脱:74例 尿失禁:2例 円錐切除:10例 内膜掻爬:3例 その他1例)
  • 腹腔鏡下手術:151例
  • 子宮鏡手術:11例
  • 開腹手術:7例(子宮悪性腫瘍手術2例、卵巣癌手術3例、巨大筋腫2例)

骨盤臓器脱や尿漏れなど女性泌尿器疾患

【図3】骨盤臓器脱症例の推移

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
骨盤臓器脱
初診患者数
48 75 78 102 112 95 125 635
骨盤臓器脱
手術数
21 56 55 68 80 83 83 446

女性泌尿器疾患の中でも、特に子宮脱や膀胱瘤といった骨盤臓器が下垂・脱出する疾患を骨盤臓器脱と呼びます。当院に受診された骨盤臓器脱症例数と手術件数を示しています。【図3】
当院で専門的に上記疾患を取り扱っていることが周知されるようになり、患者数は年々増加し、昨年は125例診察させていただきました。

【図4】当院でのPOP手術数と術式の推移

骨盤臓器脱に対する手術方法には、従来から行われている手術からメッシュを用いた手術(TVM:経腟メッシュ手術やLSC:腹腔鏡下メッシュ手術)まで、幅広く行っています。特に、メッシュ手術に関しては、そのメリット、デメリットを考慮し、個々の病態に応じて行っており、県内でもトップクラスの実績があります。【図4】

【図5】骨盤臓器脱術後満足度(術後3か月目 N=408)

骨盤臓器脱の術後患者満足度に対するアンケートを行っておりますが、術後3か月目の結果が【図5】です。不満足の患者さんもありますが、多くは満足以上の評価を得ています。
骨盤臓器脱にはしばしば尿漏れ(尿失禁)を伴い、また、術後に尿漏れがおこることがあります。当院では、尿漏れに対してもTVT、TOTなどの中部尿道スリング手術も行っています。

子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣嚢腫などに対し内視鏡(腹腔鏡・子宮鏡)手術

【図6】腹腔鏡下手術件数の推移

  2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
腹腔鏡手術数 11 12 25 34 69 123 150

2014年11月に、産婦人科腹腔鏡技術認定医である錢医師が着任し、腹腔鏡手術の件数が大幅に増加し、2016年の腹腔鏡手術は150例に達しました。【図6】2017年4月には、新たに産婦人科腹腔鏡技術認定医である宮田医師も着任され、数だけでなく安全性にも配慮した手術を心がけています。
*2016年 腹腔鏡手術(150例)での術中合併症0で開腹移行もありませんでした。
*2015年から当院は、産婦人科内視鏡学会が定める腹腔鏡下手術認定施設(2015年4月現在では兵庫県では4施設)となりました。

2016年度の腹腔鏡下手術150例の内訳(重複あり)

  • 子宮全摘術(子宮筋腫・腺筋症など)76例(TLH73例 LSH3例)
  • 子宮筋腫核出術:14例
  • 付属器手術(卵巣嚢腫・子宮内膜症などに対する手術):72件(TLA48例 TLC24例)
  • 骨盤臓器脱手術:9例

子宮筋腫に対するTLH(腹腔鏡下子宮摘出術)の統計(N=55)

  • 平均子宮重量:458.8g(108-1575g)
  • 平均手術時間:2時間21分(1時間21分-4時間6分)

産科に関して

分娩(産科)に関して

当院では2010年4月より大阪大学医学部産婦人科による分娩施設集約化(分娩は、スタッフが多く、緊急の対応が可能な施設で集中的に行うこと)の方針にしたがい、分娩の取り扱いは行っておりません。当院では妊娠の診断や妊婦健診のみ行い、分娩は産科スタッフが充実し、新生児室(NICU)もある県立西宮病院に依頼し“周産期ネットワーク”を構築することで対応しています。 (帰省分娩など、分娩施設が県立西宮病院以外でも妊婦健診は可能です。)

“市立芦屋病院・県立西宮病院 周産期ネットワークについて“

妊婦健診は、超音波による胎児診断を含め、安心して出産できるように病棟助産師とのチーム医療を行っており、何でも相談できる環境づくりを目指しています。元来元気な方でも妊娠すると大なり小なり体の変調が生じることがあり、そんな時には、必要に応じて院内各科の専門医に紹介し、迅速に対応します。
具体的には“市立芦屋病院・県立西宮病院 周産期ネットワークのお知らせ“で詳細に説明させていただいているので参照ください。妊娠が安定した頃(10週から12週ごろ)に両病院間で統一した妊婦専用カルテを作成し、その時点で一度だけ県立西宮病院産婦人科を受診していただきます。その後は、経過に問題なければ、妊娠35週までは当院が妊婦健診を担当し、妊娠36週(分娩予定日の一か月前)に再度、県立西宮病院の診察を受けていただきます。その後、再び当院で妊婦健診を受けていただき、陣痛発来や産兆(おしるし)、破水などの分娩の兆候を認めた時点で県立西宮病院に連絡、入院(分娩)となります。
分娩終了後、御希望があれば、赤ちゃんとともに当院に転院可能です。退院後の産褥期の管理や母乳相談、新生児の診察などは、当院でフォローさせていただきます。

専門医・認定医・スタッフの紹介

木村 俊夫(きむら としお)
役職 産婦人科 部長
専門分野 一般産婦人科
女性泌尿器
資格 日本産科婦人科学会専門医
2014-2015 Best Doctors
錢 鴻武(せん こうぶ)
役職 産婦人科 医長
専門分野 一般産婦人科
腹腔鏡下手術
資格 日本産科婦人科学会専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定
宮田 明未(みやた ひろみ)
役職 産婦人科 副医長
専門分野 一般産婦人科
腹腔鏡下手術
資格 日本産科婦人科学会専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本周産期新生児学会専門医
宮本 愛子(みやもと あいこ)
役職 非常勤嘱託医師
専門分野 産婦人科
資格 日本産科婦人科学会専門医
母体保護法指定医
麻酔科標榜医
日本医師会認定産業医
天満 久美子(てんま くみこ)
役職 非常勤嘱託医師
専門分野 産婦人科
資格 日本産科婦人科学会専門医