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事業管理者あいさつ

医療改革の時代を迎えて

 平成の締めくくりとなった平成30年度の市立芦屋病院は、年間平均病床稼働率が90%を上回り、多数の入院患者に利用いただくなど、文字通り「市民に愛される病院」に一歩近づいた感がありました。これもひとえに地域住民はもちろんのこと、病院・診療所など地域の医療機関、阪神間の療養・介護施設など医療・福祉に係る方々との連携・理解が進んだ結果と感謝いたします。今後も超高齢社会に対応して、国の推進する地域医療構想ならびに地域包括ケアシステムに沿って、市民の安心・安全に寄与できる病院運営を推進して参ります。

 わが国の政府は、経済の低迷、若年労働者の不足が勤労者の長時間労働、ひいては過労死を生み出す問題を懸念し、外国人労働者の移入等を検討しています。また「働き方改革」を旗印に長時間労働に対する厳しい姿勢を打ち出そうとしています。いずれも議論はいろいろあろうと思いますが、方向性は決して誤ってはいないと考えます。しかし、一朝一夕にできるものではありませんし、諸問題が容易に解決するとは思えません。医療関係者にとってとくに医師の「働き方改革」は大きな問題です。成立した働き方改革関連法では時間外労働の上限を「月45時間、年360時間」、繁忙期の特例でも「年720時間」と定めるもので、原則本年4月から施行されます。しかし医師等の一部業種については5年後に施行に適用と猶予期間を設けています。ただし猶予期間においても時間外労働の削減努力を図る付帯決議がなされました。これを受けて厚生労働省は勤務医の残業上限時間を「年1860時間」とする案を有識者会議に提出し、委員からは「過労死の労災認定の目安を大きく超える」と批判されています。

 勤務医の長時間労働の原因としては、「医師不足」の一語につきます。過疎地など地方では医師の絶対数が不足していますが、都市部においても診療科による医師の偏在に加えて、「主治医制度」を重視してきた事から生じた時間外呼び出し等が過重労働を生んでいます。「医師は生命を預かる聖職であり、労働者とは一線を画している」という医師の自尊心や「主治医は24時間私のために尽くしてくれる」という患者の依存心が、長年にわたって育成された結果でしょう。当直業務の算定時間等医師の労働時間の厳密な計測は難しい面もありますが、一般的に長時間労働と推測できます。限られた医師数で病院を運営する以上、働き方改革と病院経営の両立を図りつつ、職員と患者の満足度を上げて課題を解決してまいります。

市立芦屋病院 事業管理者 佐治 文隆

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