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事業管理者あいさつ

あらためて医療の原点を思う

 オリンピック開催年として期待に胸を膨らませた2020年の始まりでしたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で世の中が激変しました。グローバリゼーションでヒト、モノの交流が進み、狭くなった世界は、同時に病原体も容易に流通することになり、感染症に対して脆弱性を露呈しました。新型コロナウイルス感染の拡大は製造業、物流、観光等あらゆる産業分野に停滞、萎縮をもたらし、金融界もパニックに近い状態に陥りました。一日も早くウイルス蔓延が制圧され、収束に向かうことを祈っています。

 各国、各地で新型コロナウイルス感染者やこれによる死亡者が報告される中、犠牲者に医師や看護師など医療関係者が少なからず含まれていることに気づきます。この感染症について最初に警告を発し、その後は当局の迫害を受けた末に自ら罹患し亡くなった武漢の医師は、多くの人々から追悼の共感を得ました。疾病とくに未知既知を問わず感染症と対峙する医療者は、戦争の最前線で武器をとる兵士を想像させます。

 芦屋病院においては兵庫県健康福祉事務所の依頼に応じ「帰国者・接触者外来」を設置し、一般外来患者と動線を分離、入院患者への面会制限を厳重に行うなど公立病院として地域住民の安全を守る責務を果たしています。一方で不特定多数の人々が狭い空間に集まり、新型コロナウイルス感染のリスクを負う可能性を考慮して、市民公開講座、院内コンサート、各種講演会などを中止させていただき、入院患者、外来患者ならびに職員の安全も配慮しています。また厚生労働省、兵庫県、日本医師会から毎日のように発信されるCOVID-19に関する通達や要請などの周知や病院内での課題等の対応について、「COVID-19院内感染対策委員会」を連日のように開催し、臨機応変に対応策を決定し情報共有に努めました。姿の見えない感染症に向き合う職員の勇気ある活躍をご理解ください。

 ヨーロッパでイタリアに突出して新型コロナウイルス感染症患者が増加したのは、医療費削減による医療崩壊が起こっていたためとも報道されています(3月11日付け日本経済新聞)。このような危機的状況だからこそ、私たちは公立病院の存在意義を自覚して、よりいっそう地域住民の健康保持に力を尽くします。

市立芦屋病院 事業管理者 佐治 文隆

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